給与計算ミスは会社の信用問題!社労士が教える「抑えるべき5つのポイント」
2025/06/24
給与計算ミスは会社の信用問題!社労士が教える「抑えるべき5つのポイント」
はじめに
「うちの会社、小さいから手計算で十分だよ」「毎月同じ金額だから大丈夫」——
そんな油断が、大きなトラブルを生むこともあるのが「給与計算」です。
給与計算は、単に「時給×勤務時間」や「月給÷日数」といった計算をするだけではありません。
税金、保険料、労働法のルールなど、さまざまな制度に基づいた処理が求められます。
ミスがあると、従業員からの信頼低下だけでなく、法的なリスクや行政指導につながることも。
この記事では、厚生労働省や国税庁のガイドラインを基に、2024~2025年最新のルールも踏まえた、給与計算で絶対に抑えておきたい5つのポイントを、わかりやすく解説します!
1. 「支給日=締め日」ではない?支給期間と締め日の区別を!
給与計算の基本は「いつからいつまでの労働に対して支払うか」を明確にすることです。
たとえば、「毎月25日締め・翌月10日払い」となっている場合、10日に支払う給与は前月26日~当月25日分である必要があります。
これが曖昧なままだと、残業代や有給取得日の計算ミスにつながります。
**厚労省の「賃金支払の五原則」**でも、「一定の期日を定めて支払うこと」が義務づけられています(労基法24条)。
締め日と支給日を社内で文書化し、就業規則や雇用契約書にも明記しておきましょう。
2. 所定労働時間と法定労働時間を混同しない
「1日8時間・週40時間」以上働いた時間は、原則として時間外労働となり、割増賃金が必要です。
でも、会社によっては所定労働時間が7時間だったり、週35時間に設定しているケースもあります。
ここで重要なのは、
- 所定労働時間超→通常の残業(割増なし)
- 法定労働時間超→割増対象
という点。たとえば、1日7時間の会社で1日8時間働いた場合、**1時間は「残業」でも「割増不要」**というケースもあるのです。
2023年4月以降、中小企業にも月60時間超の残業に対して50%以上の割増賃金が必要になった点も見落とさないようにしましょう(労基法37条)。
3. 社会保険・雇用保険の加入基準を最新ルールで確認!
給与計算に直結するのが、保険料の控除です。
とくに注意が必要なのが、2024年10月からの社会保険の適用拡大。
▼新たなポイント(2024年10月~):
- 従業員数「51人以上」の企業に勤務する週20時間以上・月収8.8万円以上の短時間労働者も社会保険加入の対象に!
- パート・アルバイトも含まれるため、「給与から社会保険料を控除する対象」が増えます。
また、賃金締切日が月の途中にある場合でも、当月分の保険料として処理すること(原則として前月分ではない)も重要です。
4. 課税対象か非課税か?手当の取り扱いをチェック!
給与明細にはさまざまな手当がありますが、その税務・保険料の扱いがバラバラなのをご存じですか?
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なお、通勤手当は公共交通機関を利用する場合は月15万円まで非課税ですが、自家用車やバイク通勤の場合は、通勤距離に応じて上限が定められています(例:片道10~15kmで月6,500円まで)。このような場合、限度額を超える分は課税対象となるため、支給額を決める際は注意が必要です。
5. 住民税は「前年の所得」が基準!6月の給与から変更あり
「毎月同じ給与なのに、6月から手取りが減った!」
従業員からよくあるこの質問、理由は住民税の改定です。
住民税は前年の所得をもとに、翌年の6月から翌年5月分までを分割して支払います。
したがって、6月支給の給与から、新しい住民税額を適用する必要があります。
市区町村から届く「特別徴収税額通知書」に基づき、正しく控除すること。
給与ソフトへの反映ミスや通知書の見落としが多いため、毎年5月~6月は要チェックです!
おわりに
給与計算は、「一度設定したら終わり」ではなく、法改正・制度変更に応じて定期的に見直しが必要な業務です。
手作業や無料ツールで処理していると、知らないうちにルール違反になっていた……というケースも。
不安な場合は、社会保険労務士など専門家のサポートを活用するのもひとつの方法です。
従業員との信頼関係や、会社の健全な経営のためにも、「正確な給与計算」は最重要ポイント。
ぜひ、今回ご紹介した5つのポイントを実務に役立ててくださいね。
(本記事は2025年6月時点での厚生労働省・国税庁等の公開情報をもとに作成しています。)
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